この時期、蕁麻疹(じんましん)のご相談が多いです。
蕁麻疹というと、サバを食べた、カキを食べた、何かにあたった・・・ 食べ物でアレルギーを起こす蕁麻疹をイメージしやすいのですが、
この時期に多い蕁麻疹は、“寒冷蕁麻疹(かんれいじんましん)”です。
寒冷蕁麻疹は、皮膚の温度が急に冷えることがきっかけとなり蕁麻疹が起こります。
寒冷蕁麻疹が起こるメカニズムは、皮膚の下の血管周辺にある肥満細胞(マスト細胞とも呼ばれる)が急激な温度変化により刺激を受け、免疫機能が働いてヒスタミンという化学物質が放出されることによります。具体的には、体温よりも低い物質に触れたり、温められた皮膚が急に冷やされたりすることで起こりやすくなります。
放出されたヒスタミンは、かゆみを引き起こすとともに、皮膚の血管を拡張させます。これによって、血液中の液体成分(血漿)が血管外に漏れ出し、皮膚を赤く盛り上げ蕁麻疹となって現れるのです。
・・・と、難しく書いてありますが・・・ 簡単にいうと、季節の変わり目などで気温が急に下がり、皮膚の毛穴が閉まりやすい状態で、熱がこもってしまう状態が寒冷蕁麻疹です。
沸騰したヤカンに、蓋を閉めっぱなしにしたような感じですね。熱がこもり、そして、その熱で皮膚が盛り上がって、それがかゆみになるんです。
ですので… そのこもった熱を解放してあげれば、よくなります。
汗をかく、運動する、半身浴する… 体を動かし、汗をだし、こもった熱を出せば、すぐ治ります。逆を言うと、寒冷蕁麻疹に抗アレルギー薬やステロイドを塗ったところで、あまりかゆみは収まりません。
だから、急に気温が低くなるこの時期に、多いのです。季節の変化に体がついていけていないっていうことですね。
また、この寒冷蕁麻疹は、毛穴の開閉作用、体温調節作用が弱いからこそ起きる症状です。ですので、季節の変化だけじゃなく、自律神経失調症の方、冷え性、低代謝の方は、季節の変わり目関係なく、おきやすいです。