ちょっとご質問を受けたので、よかったらご参考にしていただければ幸いです。
「8ヶ月前から顔に湿疹ができ、ロコイドをぬっているのですが、大丈夫でしょうか?」
よくある話かもしれませんが、病院にいき、お薬をもらい、塗ると落ち着く・・・ そして、やめるとまた出てくるから、塗る・・・ その繰り返し・・・
気が付いたら、それを半年以上やっていて、そんなに塗っても大丈夫なのか、心配になられたそうです。
「大丈夫でしょうか?」と言われると、薬剤師の立場からすると、正直困ってしまうのですが・・・^^;
ここら辺は、実際にステロイドを作られているメーカーさんの意見をまず見ましょうか。
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一方、アトピー性皮膚炎に代表される慢性湿疹は、一時的に症状が良くなっても完治することはありません。そのため長期間、広範囲に薬物治療を続けることになります。ステロイド外用剤を何ヶ月も長期連用すると、副腎機能の低下により体内で作られる副腎皮質ホルモン(抗炎症作用を持つ、天然のステロイド成分)が減少してしまい、従来身体が備えていた抗炎症作用を発揮できない状態になっています。その状態でステロイド外用剤を止めると、炎症が増強されて症状が悪化します。皮膚科専門医は、そうならないように薬物治療を行います。例えば、ステロイド外用剤を1週間使って症状が良くなったら、1週間は保湿剤と抗ヒスタミン剤でコントロールする、あるいは、ステロイド外用剤の使用回数を徐々に減らしていくなど、副腎機能に影響がでないようなステロイド外用剤の使い方をします。
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上手に使うのは大事ですが、結局は、あまり長期の使用はさけるように書いてあります。また、ステロイドの説明書・・・ 添付文書というのですが、そこには、「長期連用はしないこと」と書いてあります。この長期連用というのは、約2週間ぐらいと考えて頂いた方がいいです。
また、使うお薬の強さ、場所も、とても大事ですので、知っておいた方が良いと思います。
使う場所によって、吸収率も変わります。
つまり・・・ まずは、ステロイドを塗って、炎症が落ち着いたら、使うのをやめる。それを繰り返しても、治らないようなら、塗り薬や、抗アレルギー薬での治療だけではなく、違う原因を見つけたほうがいいです。2週間単位ぐらいで。
ストレスが原因なら、ストレスを。食事が原因なら、お食事を。
根本的な原因を改善しない限り、いくらステロイドを塗っても、イタチごっこになってしまいますからね。
皮膚は、皮膚表面だけのトラブルではなく、カラダの中から、心の状態からも影響するものです。総合的なケアが必要なときもあるんですよ。